インタビュー
”直感的で工事台帳作成作業にマッチした、まさに現場が求めていたソフトウェアでした”
--大林組のデジタル写真管理の規模をお話いただけますか。
藤井氏(以下敬称略):大林組は常時稼働する現場数として土木は500、建築で800あります。特に個々の工事の規模は大きく、中でもダムの現場では1年でおよそ20,000枚の写真を納めたこともあります。
--膨大な情報を管理されている御社は、工事写真管理へも早い対応をされていますよね。
藤井:はい。六間堰(ろっけんぜき)の工事で日本初のデジタル写真管理をおこないました。しかしアナログからデジタルへの転換作業は、現場にとって大きな不安となっていました。その状況下でやっと探し出したソフトウェアが、一般ユーザー向に開発された「蔵衛門」でした。
「蔵衛門」は、非常に直感的で工事台帳の作成作業にもマッチした、まさに現場が求めていたソフトウェアだったのです。そこで、トリワークスへ工事写真管理ソフトの開発を依頼することになりました。
--御社からの声で「蔵衛門御用達」は生まれたのですね。
藤井:しかし、しばらく使っていると「蔵衛門」には重要な機能が欠けていることが分かりました。ネットワーク上でのデータを共有することができなかったのです。数万枚におよぶデジタル写真管理は、複数人で作業しなければとても追いつかない。そのため、ネットワーク上でのデータ共有ができるソフトウェアを、推奨するしかありませんでした。
--それでは、「蔵衛門御用達」のバージョン5から再度、導入された経緯を教えてください。
藤井:推奨していた訳ではありませんが、土木だけでなく建築でも未だ相当数の現場で「蔵衛門御用達」を使用していることは認識していました。
「蔵衛門」は、工事写真管理ソフトとして「蔵衛門工事写真」「蔵衛門御用達」とバージョンアップを重ね、多くの機能も付加され、当時の問題は全て解消していました。それに、これほど現場で支持され続けたのですから、「蔵衛門御用達」の選定、しかも全社導入は当然の結果です。
"現場の新しいパソコンは「蔵衛門御用達」をインストール済みの状態で支給しています"
--どのように、全社導入を実現されているのでしょうか?
杉浦氏(以下敬称略):新たに支給するパソコンには、インストール済みの状態で渡しています。パソコンが現場に届いて起動するだけで、「蔵衛門御用達」のアイコンが既にデスクトップに配置されています。
藤井:大林組の情報インフラは、標準機器に標準ソフトを導入して現場へ提供しています。"標準化"の良いところは、教育効果とトラブルへの対応(ヘルプデスク)が円滑だというところです。電話1本で全国各地の工事事務所からの問い合わせにも対応しています。
--現場で「蔵衛門御用達」を"標準化"させるためにどのように支援していますか?
杉浦:上期1回、下期1回本社、本店を始め各9支店へ出向いて研修をしています。原則は電子納品の概要と作業をするためのツールの説明、その際に「蔵衛門御用達」を簡単に紹介します。
細かい操作方法については、実践していくうえで身つくものだと思っています。
研修では、現場用に簡単な取扱説明書を作成しています。
--御社オリジナルの取扱説明書ですね。
杉浦:はい、そうです。現場で、この分厚い取扱説明書は実用的ではありません。経験を活かして、ポイントを押さえた取扱説明書があるだけで、作業の効率が上がります。
藤井:極端ですが、取扱説明書なしで直感的に使えることがソフトウェアとしての理想だと思います。しかし、データのデジタル化が進むにつれて、ソフトウェアにどうしてもコンピューターの常識的な概念を押し付けられてしまう。そうすればするほど、現場が拒否感を覚えてしまうのです。
例えば、テーブルに2~3人集って写真を広げて工事写真台帳へ1枚1枚入れていくという作業。そう、従来どおりのアナログ感覚が必要なのです。ですから、「蔵衛門御用達」が今後バージョンアップするときには、ただ機能を追加するのではなく現場に負担が掛からない、今より更に直感的なソフトウェアに仕上げていって欲しいものです。
--ありがとうございました。
お話を伺った方々
株式会社 大林組
土木本部本部長室
IT推進グループ長
藤井義明 様
株式会社 大林組
土木本部本部長室
IT推進グループ
杉浦伸哉 様
導入製品
蔵衛門御用達6プロ
導入目的
土木工事用写真管理
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