
【建設現場の生産性向上へ/撮影・整理の業務量低減】
建設通信新聞 2017年(平成29年)1月31日(火曜日)一面記事より 国土交通省は、直轄工事を対象に施工内容を説明する小黒板(工事黒板)を電子化する「電子小黒板」の導入に踏み切る。受注者にとって大きな負担になっているとの指摘もある工事黒板の作成から写真撮影(撮影した写真の整理)、完成検査への提出・納品までの流れを効率化することが狙い。工事写真の撮影や、その管理に割く作業の時間を短縮することで建設現場の生産性の向上につなげる。各地方整備局に小黒板(工事黒板)の電子化に向けた運用方針を通知。直轄工事を対象に2月1日から適用する。 電子小黒板は、これまで作業員が手書きで黒板に書き込んでいた施工内容が、デジタルカメラなどの撮影機器に内蔵されているようなイメージ。被写体を写す画面上に、施工内容を示す情報が自動的に組み込まれることで、従来のように手書きの黒板を用意する必要がなくなる一方、撮影者と手書きの黒板を持つ作業員と最低2人の人員を要する作業が、撮影者のみで済むというメリットもある。セキュリティー性(改ざん検知機能)を確保した機器の使用を前提に、電子小黒板の活用に踏み出す。 受注者である建設企業が電子小黒板を導入する場合、最大のメリットとされるのが、撮影した写真の整理や管理に割いていた業務量(時間)の短縮だ。 施工内容を書き込んだ黒板を持つ補助員と、その現場の施工状況が映り込むように撮った画像や撮影日といった情報を、写真管理ソフトウェアを使って整理するという、従来のやり方は撮影する写真の数だけ手間がかかるというデメリットがあった。撮った写真の整理は、実態として現場が動いていない夜間に行うケースがほとんど。特に工事写真の作成は、現場にとって頻度の高い業務だけに、結果として、長時間労働を招く要因にもなっている。 電子小黒板の導入による効果として、1週間分の工事写真を整理する時間は従来の60分から5分ほどに縮減。 写真を整理・処理する「業務時間」に限って言えば、従来の方法との比較で約90%も削減できるとするデータがある。その事実だけをみても、長時間労働の是正を含めた「働き方改革」の実現が求められるいま、その導入はある意味、必然の結果とも言える状況だ。 運用は現行の「写真管理基準」に沿った形で対応。「発注者の承諾によって小黒板情報の電子化を実施できる」とするように運用の中で電子小黒板の導入を図っていく。いわゆる“できる規定”とすることで、受注者の求めに応じて、電子小黒板を導入できる環境を敷くことになる。
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