インタビュー
“HDDは、決して永久安全で壊れないものではなく、消耗品である。"
--HDDに保存されている工事写真は安全なのでしょうか。
株式会社データ復旧センター(以下DATA):工事写真を撮られる皆様は、デジカメで撮った工事写真はHDDに取り込んで保存されていますよね。HDDに保存したからと言って、安心はできません。HDDは決して“壊れないものではない”です。弊社で行うデータ復旧作業は年間6000件。そのうち、HDDは7割ほどになります。
他社データ復旧サービスをご利用になる方もいらっしゃれば、データの救出を諦めてしまう方もおられるかと思います。そうなると、HDDが壊れてデータの救出に困っている方はかなりの件数になってしまいますよね。決して、自分のHDDは大丈夫だと思ってはいけないのです。
--建設業の方からの依頼もあるのですか。
DATA:もちろん、あります。現場でお使いのパソコンが送られてきた状態を見ると埃をかぶっているものが目立ちます。やはり埃が一番トラブルの原因となっていますね。知らないうちに埃がHDDに入り込み、キズをつけていて突然動かなくなってしまったというケースは少なくありません。あとは、気温の変化でもHDDの破損に繋がるんですよ。
--気温の変化でも影響があるんですか。
DATA:はい。気温が急激に変化して、湿度の影響で読み取りをする“ヘッド”という部分が破損してしまうケースもあるのです。さらに、記録面に肉眼では見えないようなキズがあっても磁気で読み込めなくなってしまいます。
--HDDは思った以上にデリケートなんですね。
DATA:HDDは、超・精密機器ですので、埃一つ浸入しても故障の原因となってしまうのです。ですから、私どもがお客様からお預かりしたHDDを分解するときには空気中にある塵が浸入しないように、常に空気清浄度の非常に高い特殊な空間「クリーンルーム」という場所で作業を行っています。やはり、工事現場は埃とは切っても切れない仲。普段から、埃や塵の多い環境で業務を行われるので、十分注意が必要かと思います。
”消失が許されない工事写真データの『バックアップ』は当たり前”
--埃ひとつでも故障原因となってしまうのですね。
DATA:そうなんです。私たちの想像以上に、HDDは、とても精密かつ繊細な構造を持っています。少しのキズでも致命的なものになってしまい、実際には2割〜3割、データの復旧ができない場合があります。最新技術が整っている海外に送っても復旧が難しいケースがあるのです。まれに記録面にあるHDDが稼働するコントロールデータがキズついてしまっていることがあります。もうこれは、HDD自体が稼働しないのでデータの修復ができないのです。本当に偶然でも起こりうるのですよ。
--HDDは安全とは言えないのですね。
DATA:そうなんです。絶対に永久安全なHDDというものは存在しません。いつどんなタイミングで壊れてしまうか分からないのです。まさかというタイミング。例えば、工事の検査前。壊れてしまう可能性はゼロではないのですよ。絶対に消失が許されない工事写真を守る為には、お客様ご自身が定期的に工事写真のバックアップを行うことが必要不可欠なのです。
--ありがとうございました。
当ソフトウェアは、今回の特集用に開発されたオリジナルコピーソフトです。ルクレは、当ソフトウェアに関連または起因するトラブルなどの損害に対して一切の責任を負いません。くれぐれも、お客様の責任のもと、ご使用ください。
お話を伺った方々
株式会社
データ復旧センター
技術本部
部長
今井政人 様
株式会社
データ復旧センター
営業部 営業推進1課
課長
横尾裕人 様