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電子小黒板とは?
電子小黒板導入のメリットを徹底解説!

目次

  1. 電子小黒板とは?木製黒板と何が違うの?
  2. 電子小黒板のメリットとは?
  3. 電子小黒板を使用しても大丈夫?
  4. 電子小黒板を使ったワークフローとは?今までとどう変わる?
  5. 電子小黒板対応機器の種類とは?
  6. まとめ

電子小黒板とは?木製黒板と何が違うの?

電子小黒板とは、工事写真を撮影する際に配置する、撮影状況(工事名・工種・略図など)を書いた小黒板を電子化したものです。

工事写真の撮影点数は、近年増加傾向にあり、管理者の業務は増えつつあります。

建築物の安全性を確認するために不可欠な工事写真は、公共・民間事業を問わず、全数撮影が求められることも少なくありません。

従来の工事黒板では、木製黒板やホワイトボードに工事名や工種、測点や略図をチョークやペンで書き込み、現場風景や作業部分の付近に配置して撮影していました。

従来の工事黒板の例

チョークによる手書き文字は、「くせ字」や「かすれ」で読みにくいことも

こういったアナログな工事黒板は、撮影点数分作成するのに時間がかかり、持ち運びも大変でした。

撮影時も作業箇所と工事黒板両方にピントや露出を合わせるのが困難だったり、黒板の設置に適切な場所がない場合は誰かに持ってもらう必要があったりと、数々の問題を抱えていました。

また、撮影した写真の管理においても、大量の写真仕分け作業や台帳への膨大な文字入力などが無視できない負担になっていました。

工事写真業務の負担を大きく軽減できる新技術「電子小黒板」は、従来の工事黒板の内容をデジタル化したもので、工事写真専用の端末やアプリで利用することができます。

画面上では、実際の作業箇所に仮想の黒板(電子小黒板)が合成され、その状態を確認しながら撮影することが可能です。

しかも、文字や略図が美しく記録できる上、作業箇所と電子小黒板を同時に表示した状態で構図を確認しながらシャッターを切ることができるので、黒板を持つ人も不要になります。

つまり、ひとりでも高品質な工事写真を撮影することができるのです。

電子小黒板の例

フォントを使用したテキスト文字なので、美しく読みやすい

黒板の配置や構図を見ながら撮影。黒板の移動や拡大縮小も自由にできる

国土交通省では、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もっと魅力ある建設現場を目指す取組である i-Construction(アイ・コンストラクション)を進めています。電子小黒板を導入して、工事写真業務の負担を減らしましょう。

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電子小黒板のメリットとは?

電子小黒板の最大の特長は、工事名や工種、測点、略図などをデジタル情報として管理できることです。中でも「黒板の文字をワープロのようにテキストとして扱える」ことが重要なポイントです。

これにより、文字や文章をコピー&ペーストして入力作業を省力化したり、機器やアプリの間で転記・共有して、台帳や書類の作成を効率化できます。

電子小黒板を利用するメリットは以下の3点です。

電子小黒板を利用するメリット
黒板作成の省力化ができる
撮影の省力化ができる
写真整理の効率化ができる

【1】黒板作成の省力化ができる

  • 色々なフォーマットの黒板を手軽に選択。新しい黒板を作成するたびにチョーク文字を消したり、書き換えたりする手間が不要
  • 似た内容の黒板を作成する場合、元になる黒板を複製して一部を書き換えるだけ
  • 使用した略図を登録しておけば、呼び出して再利用も可能
  • 黒板フォーマットを社内ネットワークで共有可能

【2】撮影の省力化ができる

  • 作成したすべての小黒板を端末に保存でき、現場で大量の黒板を持ち運ぶ必要がない。忘れものが減り、体力の消耗も少ないので、作業の安全性が向上
  • テキスト文字なので、文字が美しく見やすい。雨に濡れたり、擦れたりして文字が消えてしまうこともない
  • 撮影時、黒板をビルの窓際などの危険な場所に設置せずに済む
  • 黒板を誰かが持つ必要がなく、ひとりで撮影できる

見やすい工事写真を簡単に撮影できるのも大きな利点です。

たとえば、作業箇所が日なた、黒板を設置できる場所が日陰、あるいは逆光の場合、普通のデジカメで撮影すると黒板は真っ暗に写ってしまいます。

また、作業箇所を引きで、黒板をアップで撮りたい場合、どちらかにピントを合わせると、もう一方はピンぼけになってしまいます。

そんな状況でも、電子小黒板対応の機器やアプリなら、作業箇所だけに露出やピントを合わせれば撮影が可能です。

電子小黒板はデジタル情報なので、常に見やすい状態で合成されます。

【3】写真整理の効率化ができる

  • 撮影した写真と黒板の内容を、工種や種別などの階層ごとに自動的に分類して保存。
  • 電子小黒板に記載された内容は台帳に自動的に転記されるので、黒板の文字を手入力する手間が不要。

写真の自動仕分け

写真と黒板の内容を自動的に分類して保存。
文字も転記されるので、手入力の手間が不要

このように、黒板の作成から撮影、そして台帳作成を含む写真管理まで、工事写真業務全般を圧倒的に省力化・効率化できます。

電子小黒板を使用しても大丈夫?

電子小黒板を使用して撮影した写真は、黒板のきれいな見た目から「合成ではないか?」と疑われてしまうことがあります。

ここでは、電子小黒板の仕組みと改ざんとならない理由についてわかりやすく説明します。

電子小黒板付き写真データの仕組み

電子小黒板対応端末や、アプリで撮影した写真は、一般的なデジタルカメラの写真と同様にJPEG画像として保存されます。

電子小黒板の内容は、単なる画像だけでなくExifにも記録されています。

Exifとは

読み方は「イグジフ」。Exchangeable image file format(エクスチェンジャブル・イメージ・ファイル・フォーマット)の略で、日本電子工業振興協会(JEIDA)で規格化された、写真用の付加情報を含む画像ファイルフォーマット。この付加情報には、写真の撮影日時や撮影機器のメーカー、モデル名、シャッター速度、絞り値、ISO感度、焦点距離、画像の更新日などの情報が含まれます。

電子小黒板付きデータの仕組み

電子小黒板は画像の改ざんに当たらない?

2006年1月に改定された国土交通省の「デジタル写真管理情報基準(案)」では「写真の信憑性を考慮し、写真編集は認めない」と規定されています。

したがって、工事写真で使用する画像の回転、明るさ調整、コントラスト調整、色補正、サイズ変更、解像度変更なとの編集やパノラマ・つなぎ写真は一切禁止されています。

「暗くて見にくかったので明るさを調整した」「人物が写り込んでしまったのでトリミングした」など、良かれと思って行った編集も認められません。

これらの編集行為は改ざんと見なされ、指名停止の対象となることもあります。

では、「電子小黒板が合成されている」ことは、工事写真で禁止されている「写真の編集」に当たらないのでしょうか?答えは「当たらない」です。

その理由は「電子小黒板の合成が撮影と同時に行われる」からです。

つまり、電子小黒板の合成日時は、先に述べたExifの「写真の撮影日時」そのものであり、写真が保存されたのは一度だけです。

したがって、写真が「後から編集された」ことにはなりません。

「編集してしまってもわからないのでは?」と思われるかもしれませんが、2005年7月に国土交通省の直轄工事で改ざんが発覚した際、同省が全国約100件、15万枚の写真を対象に調査を行ったところ、約1,000枚の工事写真に改ざんの疑いがあることが判明しました。

これを受け、前述の「デジタル写真管理情報基準(案)」が規定され、以後、工事写真は厳しくチェックされているので、改ざんは隠せないと思ったほうがよいでしょう。

改ざん検知機能付き製品を選ぼう!

電子小黒板対応機器やアプリには、写真に信憑性を持たせるための改ざん検知機能を備えたものが増えています。

改ざん検知の仕組みには複数の方式がありますが、現在は、J-COMSIAが提供する、Exifをもとにした検知方式がスタンダードとなっています。

J-COMSIAとは

一般社団法人施工管理ソフトウェア産業協会(J-COMSIA)は、建設分野の施工管理に関わるソフトウェアを用いた業務の高度化、効率化を目指し、これらに関わる調査、企画、要件定義、システム開発及び保守並びに情報の提供を行います。また、これを広く普及することにより、建設技術の向上、建設事業の効率化、国土の安全かつ有効活用の促進を図り、もって国民生活の高度化及び経済の活性化に寄与することを目的とし、日本国内又は海外においてその目的達成のための事業を行います。

J-COMSIAのチェックシステムを使ってみよう!

J-COMSIAは、改ざんチェックシステム(信憑性チェックツール)を公式Webサイトで公開しています。

無償なので、ぜひ使ってみましょう。
(J-COMSIA公式サイト:
https://www.jcomsia.org/kokuban/

なお、このツールで信憑性を判定できる写真は、J-COMSIAの検知方式に対応した端末またはアプリで撮影された写真のみです。

試しに、電子小黒板アプリで撮影したままの写真と、その写真を複製して画像編集ソフトで明るさを調整して保存した写真の2点を指定してみましょう。

信憑性チェックを実行すると、正常なファイルがひとつ、チェック対象外のファイルがひとつと判定されました。

これは、使用した画像編集ソフトがJ-COMSIAの検知方式に対応していなかったためです。

信憑性チェックでは、判定(ハッシュ値のチェック)結果を示すフォルダが自動生成されます。

「OK」フォルダ内には、電子小黒板アプリで撮影したままの写真のみが格納されていることがわかります。

Exifの情報(原画像の生成日時)を書き換えた写真に信憑性チェックを実行すると、チェック異常(撮影日付)と判定されました、

また、この写真は自動的に「NG」フォルダの下の「撮影日時」フォルダに移動します。

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電子小黒板を使ったワークフローとは?今までとどう変わる?

木製黒板から電子小黒板に変更した場合のワークフローについて説明します。

【1】電子小黒板を事前に準備する

  • 工事情報を黒板に入力
  • 豆図/参考図を黒板に挿入
  • 複数の黒板を一括登録

【2】工事写真を撮影する

  • 黒板の選択
  • 黒板の編集
  • 黒板付き写真を撮影
  • 撮影した写真を確認

【3】工事写真台帳を作る

  • 工事写真台帳を作成
  • 台帳へ工事写真と工事情報を一括保存

【4】工事写真台帳を出力する

  • 工事写真管理ソフトで印刷
  • 電子納品形式で出力

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電子小黒板対応機器の種類とは?

電子小黒板は、工事写真専用端末やアプリで使用できます。

なかには無料で利用できるものもありますが、機能や使用できる期間が制限されている場合があります。
その場合は、別途料金を支払うことで、制限を解除できます。

工事写真専用端末、アプリともに、それぞれ利点があります。
使用する現場環境やワークフローから、重視する機能や性能を考えて選ぶと良いでしょう。

ここでは専用端末とアプリの特徴をそれぞれ説明します。

工事写真専用端末

工事写真専用タブレットの例

  • 専用機なので、ハードウェアの性能や仕様がすべて工事写真用に最適化されている
  • 画面が大きく、細部の確認がしやすい
  • 工事写真業務以外の用途が不要なため、UIや操作性が優れている(余計な設定項目やOSのホーム画面に戻るポタンが不要、など)
  • 関連製品との連携機能が安定しており、動作の確実性が高い
  • メールやSNSができないぶん、セキュリティが高い
  • ハードウエアが耐衝撃設計。また、防塵・防滴ケースが最初から付属するなど、どんな場所でも安心して使用できる
  • ハードウェアとアプリの提供元が同一のため、万一の故障やトラブルの際も、しっかりしたメーカーサポートを受けられるなど

電子小黒板アプリ

アプリの例

  • 汎用性が高く、端末を工事写真以外の用途にも使える
  • すでに持っている対応端末を使用でき、初期投資を抑えられる
  • 必要なとき、その場ですぐにダウンロード可能
  • 色々な工事写真アプリをインストールして、使ってみてから選べる
  • 端末(特にスマートフォンの場合)が小さいので携帯しやすい
  • 撮影した写真をメールに添付して送信したり、SNSで共有したりできる。など

まとめ

電子小黒板のメリットやワークフローについて解説してきました。

建設業界の働き方改革が急務となった今、業務の効率化を求められている方も多いのではないでしょうか?今までのワークフローを変えることは骨が折れる作業かと思います。

しかしながら、電子小黒板を導入することで長期的に見れば工事写真業務の品質向上と省力化が期待できます。

まずは自分に合ったツールを利用し、業務改善の一歩を踏み出しましょう!

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